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ウユニ塩湖とエドゥアルド・アバロア保護区
ポトシ県の中央に位置するウユニは、ボリビア鉄道の最盛期を支えた町です。1870年代から1900年代にかけて起きたチリとの戦争(太平洋戦争)で、ボリビアは海への出入口を失いました。その為、ウユニの中央駅から出る鉄道は、太平洋岸のアントファガスタ(チリ)やボリビア南部のアルゼンチンとを繋ぐ重要な役割を持ちました。
ウユニは、その名の通りウユニ塩湖の玄関口の町で、先住民からは、“トゥヌパ”の名前で親しまれています。広大な白いウユニ塩湖は、世界最大の塩とリチウムの貯蔵庫といわれ、ボリビアにとって計り知れない資源の中心地とされています。
ウユニ塩湖は、「内陸の海」とも形容されています。その理由は、ウユニ塩湖中央に位置するインカワシ島は火成岩が主体ながら石灰岩質の堆積物も確認されており、海洋生物の化石の発見や珊瑚の痕跡が見られるからです。そんな遥か昔に思いを馳せながら、雄大なウユニ塩湖で静寂に包まれる、そんな趣のある体験ができるでしょう。
乾期には一面真っ白な景色が広がり、雨期には天空を映し出す鏡となるウユニ塩湖は、時に、見る人の感覚を惑わせる“蜃気楼”のような姿で現れます。その蜃気楼のような光景は、あなたの旅を特別なものに変えてくれるはずです。
ウユニの町は、エドゥアルド・アバロア国立自然保護区を訪れる旅行者の滞在拠点にもなっています。エドゥアルド・アバロア国立自然保護区には、カタルーニャを代表する画家サルバドール・ダリの絵画を彷彿させる砂漠風景や、ラグーナ・ベルデ、ラグーナ・コロラダといった色彩豊かな湖があります。エドゥアルド・アバロア国立自然保護区のある南リペス群は、ウユニ塩湖とは異なる絶景を一目見ようと、多くの旅行者が訪れる観光地となっています。比類のない美しさを誇る自然と地質の宝庫で、自然が創造した芸術とも思える奇岩や、盛んな地熱活動が生んだ天然温泉や噴気孔、そして、エドゥアルド・アバロア国立自然保護区内に点在する複数のラグーナ*といった様々な貴重な自然が南リペス群には存在します。
*ラグーナ・コロラダやラグーナ・ベルデといった主要なラグーンは、堂々たるリカンカブール火山の麓に位置します。
ちなみに、ウユニ周辺には昔、リペス領*と呼ばれる領土が存在していました。
*現在のウユニ塩湖とチリ国境(イト・カホン)周辺
かつてのリペス領の美しい自然環境の中に、素朴なホテルやロッジが点在しています。色とりどりの湖、噴気孔、温泉、この地域特有の動物たちなどが織りなす豊かな自然の景観は、まさにこの地域の唯一無二な観光ルートを形成しています。
場所:ポトシ県南リペス群、北リペス群、ダニエル・カンポス群、アントニオ・キハロ群に跨ります。
最寄りの都市:ポトシ県トマス・フリアス群ポトシ市(約215km)
標高:約3,653mから4,895m
ボリビアアマゾンの豊かな自然と文化
ボリビア国土の約2/3を占めるアマゾン川流域地帯は、広大な自然と生物多様性の宝庫と呼ばれています。ボリビアのアマゾンには、マディディ国立公園やパンド県のマヌリピ・ヒート・アマゾン動物相国立自然保護区など、手つかずの大自然が存在します。この地域には、ベニ川やマドレ・デ・ディオス川、マモレ川といった巨大で壮大な川が流れ、緑豊かな森林やラグーン、サバンナの広がりを形成しています。これらのアマゾン川流域に位置するルレナバケやトリニダ、リベラルタ、グアヤラメリン、コビハといった都市は、ボリビアのゴム産業やブラジルナッツの生産といったボリビアの貿易経済の発展に欠かせない重要な地域です。
ボリビアのアマゾン地域には、モホス族文化に関する重要な考古学的遺産が存在します。例えば、トリニダ近郊のチュチニには巨大な丘陵や水利施設があり、プレ・コロンブス期以前に完成されていたこの高度な水利文化は、今なお研究者たちの間で多くの謎を呼んでいます。このように、この地域先住民の文化の多くは、自然と調和する形で、今も利用・継承され続けているのです。
ボリビアのアマゾンには、サン・イグナシオ・デ・モソスのような宣教師の町や、前述のように今もなお健在する高度な水利文化が残るロマ・スアレス、ボリビアのゴム経済全盛期の中心地だったカチュエラ・エスペランサといった、歴史的にみても重要な遺産を持つ町が数多く存在し、ボリビア文化の発展と経済発展の両方が反映されています。
また、ラパス県北部に暮らすタカナ族の文化も、伝統文化継承や教育、自然保護など現代社会の持つテーマとのはざまで、持続可能な暮らしとアイデンティティの維持に取り組んでいるボリビアにとって非常に重要な価値となっています。
ラパス県北部
場所:ラパス県アベル・イトゥラルデ群およびフランツ・タマヨ群
標高:約1,025m
気温:年間平均21℃
トリニダ
場所:ベニ県セルカド群
標高:約155m
気温:年間平均26℃
コビハ
場所:パンド県ニコラス・スアレス群
標高:約235m
気温:年間平均28℃
サハマ国立公園
“地球上に存在する自然が歴史を物語る” そんな場所があるのなら、それはサハマ国立公園に違いありません。サハマ国立公園は、ラパス市から約255kmの場所にあるオルーロ県北西部に位置します。サハマ国立公園には、アンデスの高原やボフェダルと呼ばれる湿地帯、湖、温泉、そして氷河などの多様な自然環境が存在します。他にも、何十年にも渡り成長し続けるケニュア(ポリレピス・タラパカナ)の森や石油よりも燃えやすいといわれる多年性の植物ヤレータ、塩分を含んだ土壌のコルパレス、周囲の火山がもたらす活発な地熱活動による間欠泉、万年雪、そして何世紀もこの地域で生きてきた人々の英知がサハマ国立公園には息づいています。
この壮大な景観の中心に、雪を頂いたサハマ山があります。大地の父であるサハマ山は、この地域に根付く伝統療法士(薬草医)たちから敬意を込めて「ドクター(Doctor)」と呼ばれています。このように、サハマ山は、この地域一帯の守り神であり、ボリビアの守護聖人なのです。また、数千年に亘りサハマ山と共に歩んできたポメラペ山とパリナコタ山は、サハマ山を守る”護衛の二人”と呼ばれています。
ラパス
ラパスは、肥沃な谷に位置し、アルティプラーノ(高原地帯)の中央に広がる、他に類を見ないユニークな都市です。独特な地形のコントラストが街の個性を際立たせており、その全体像は訪れる者に強い印象を与えます。ラパスは、文化観光や食文化、ショッピング、多彩なエンターテインメントなど、豊富な観光資源にあふれ、常に活気に満ちています。また、ボリビアにおける政治・芸術・文化の中心地としても重要な役割を担っています。急こう配の坂道や狭く複雑な路地といったラパスの地形的特徴や、歴史的背景と面影、日常に溢れる伝統文化、そして他民族国としての歩みなど、これらのさまざまな要素が折り重なり、現在のラパス独自のアイデンティティを形づくっているのです。
場所:ラパス県ムリーリョ群
標高:約3,650m
気温:年間平均11.2℃
聖なる湖チチカカ
美しい山々に囲まれたチチカカ湖は、世界で最も標高が高い航行可能な湖です。古くから農業・漁業に従事していたアイマラ族の故郷でもあり、ボリビア文化の重要な起源の地でもあります。宗教と信仰心、伝統が交わるチチカカ湖には、エネルギー溢れる神秘的な風景に加え、考古学的、文化的に重要なスポットがいくつも存在します。
チチカカ湖に点在する島々には、それぞれに魅力的な歴史と文化が息づいています。
パリティ島には、近年発見されたティワナク文化の陶器や遺物を展示する博物館があり、古代文明の痕跡を間近に感じることができます。
太陽の島と月の島は、いずれも美しい景観に恵まれ、インカ時代の遺跡が多く残されています。
ピルコカイナ宮殿やチンカナ(インカの聖域)、ティティ・カラ(または「プーマの岩」とも呼ばれる聖なる岩)、イニャク・ウユ宮殿(通称「月の神殿」)など、数々の宗教的・歴史的な遺構が訪れる人々を魅了します。
スルキ島では、葦(トトラ)を使って舟を作る伝統技術を受け継ぐ名高い職人たちが暮らしており、湖と共に生きる人々の暮らしに触れることができます。
また、コパカバーナ半島は、スペイン人入植以前より、この地域における宗教儀式の中心地として知られてきました。現在では、ボリビアで最も重要な巡礼地のひとつ、聖母カンデラリアの聖地(コパカバーナ聖母教会)があることで広く知られています。
サンパヤ
サンパヤは、コパカバーナ半島に位置するチチカカ湖畔のコミュニティで、数千年の歴史を持つ都市構造や古い建築様式が残ることで知られています。インカ時代に起源を持つ農業用の段々畑や、巧みに設計された排水・灌漑システムを間近に見ることができるのも、この地域ならではの見どころです。文化的な魅力と自然の美しさを活かしたテーマ別の観光ルートが整備されており、サンパヤを訪れる旅行者にぴったりな体験を提供しています。さらに、地域住民によって運営されている宿泊施設や、伝統的な手工芸品の販売なども行われており、現地の暮らしや文化に触れることができます。
場所:ラパス県マンコ・カパック群
最寄りの都市:ラパス市(約147km)
標高:約3,841m
気温:年間平均11.5℃
ユンガス
ラパス県北部に位置するユンガス地方は、深い森に覆われた山岳地帯で、地域固有の動植物が母なる大地と調和しながら存在しています。ユンガス地方に流れる川や旧道、緑豊かな森林、町を取り囲む山々は、旅行者にとって人気のアドベンチャーツーリズムスポットとなっています。
ユンガス地方はノル・ユンガス群(北ユンガス群)とスド・ユンガス群(南ユンガス群)の2つに分かれています。ノル・ユンガス群には、コロイコやコリパタ、トカーニャ、ヨロサといったユンガス地方の主要な都市があり、スド・ユンガス群には、チュルマニやヤナカチといった美しい自然に恵まれた観光スポットがあります。亜熱帯気候のユンガス地方に生息する固有の動植物の多様な生態系を一目見ようと多くの旅行者が通年この地を訪れています。
ユンガス地方を代表する人気のアクティビティの一つに、「デスロード」があります。ラ・クンブレと呼ばれる4,000mを超える山の頂上から低地の町コロイコ(標高約1500m)を結ぶ、断崖絶壁の旧道をマウンテンバイクで駆け抜けるスポーツアクティビティです。他にも、パラグライダーやサイクリング、登山そしてハイキングといったアクティビティがございます。
ユンガス地方には、アフロ・ボリビア人であるトカーニャ族が暮らすコミュニティが存在します。彼らは、植民地時代スペイン人によって鉱山での奴隷労働のためにアフリカから連れてこられた最初のアフリカ人直系の子孫です。
ヨロサの町は、コロイコへの玄関口となっています。この周辺にはセドロ・マヨ湖があり、自然の中にある天然温泉としてこの地を訪れる旅行者や訪問者の休憩スポットとなっています。また、センダ・ベルデ野生動物保護センターへの訪問も可能で、この地域の観光がより一層楽しめるようになっています。ヨロサの町は、ボリビア高地で栽培されるコーヒー豆やコカの葉の栽培について学ぶことのできる重要な拠点にもなっています。
ティワナク
文化的・政治的・宗教的中心地であった壮麗なティワナクは、南米大陸を代表する最も輝かしい歴史の足跡ともいわれています。その影響は、ボリビアの亜熱帯地方(盆地地域)やペルーの山岳地帯、チリ北東部のアタカマ砂漠、そしてアルゼンチン北部にまで及びました。
太陽の門や半地下神殿、アカパナのピラミッド、そしてカラササヤなど、ユニークに表現された石の彫刻のモニュメントには、その洗練された技術の高さが伺えます。これらは間違いなく、ボリビアで最も重要な考古学的遺産だといえるでしょう。
ティワナク遺跡(考古学的複合遺跡群)には、科学と芸術の両面において卓越した完成度の高さが反映されています。そして、これらの遺跡を通じて、古代アンデス共同体における宗教的思想や文化、美意識、そして世界観といった半永久的な影響を、今日に至るまで人々に与え続けています。ティワナク遺跡の起源や発展・拡大の過程には今なお多くの謎が残されており、解明されているのはごく一部に過ぎません。それゆえにティワナクは、世界中の研究者や旅行者の関心を集める、神秘と魅力に満ちた遺跡として、今もなお注目を浴び続けています。
場所:ラパス県インガビ群
最寄りの都市:ラパス市(約72km)
標高:約3,842m
気温:年間平均10℃
白い街スクレ
「白い街」と称されるスクレは、アメリカ大陸で最も美しい旧植民地都市の一つです。植民地時代に、チャルカス裁判所の本部が置かれたスクレは、最初の独立運動の発祥都市であり、ボリビア独立以来の首都です。スクレの政治や社会、芸術、学術、そして文化の重要性は、見事に街に反映されており、植民地時代および新古典主義共和制時代(独立宣言後のボリビア共和制時代)のいくつもの遺産が今なお状態よくスクレの街に残っています。この様な理由から、スクレの街は、1991年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
他にも、スクレを含むこの地域一帯には、非常に興味深い観光名所がたくさんあります。
マラグアとポトロのコミュニティ観光センター
チュキサカ県にあるハルカスのコミュニティは、自然の染料と伝統的な技法で作られる美しい織物で有名です。この地域ではあるプロジェクトが立ち上がり、地域の自然資源と文化遺産の価値を追求・保全することを目的とし、その一環として「ハルカス農耕文化の地域博物館」の建設が計画されています。また、これを補完する施設として、5つのロッジ、手工芸センター、そして伝統医療博物館も整備されています。
白亜紀公園
スクレ市街からわずか数分のカル・オルコ地区で、世界最大級の恐竜の足跡の化石が発見されました。これは、この地域一帯の地面に残された重要な古生物学遺産です。隣接する広大なスペースには、発見された恐竜の足跡に相当する実物大のレプリカが展示されたテーマパークがオープンしました。施設内には、テーマ別博物館やレストラン、ミュージアムショップなどが併設されています。
場所:チュキサカ県
標高:約1,870m
気温:年間平均15℃
世界遺産の街ポトシ
ポトシの歴史は、伝説的なセロ・リコ鉱山の驚異的な鉱物資源に深く結びついています。17世紀半ば、ポトシに築かれた帝国都市(インペリアル・ヴィレッジ)は、莫大な富と栄華の象徴となり、世界でも有数の重要な都市へと変貌を遂げました。ポトシはラパスと並び、「メスティーソ・バロック様式」と呼ばれる芸術分野や建築分野での表現スタイルが生まれた街でもあります。これは、スペインの征服者が持ち込んだ宗教理念と、ボリビアの先住民の魂が生んだ、いわゆる歴史と文化の融合の賜物ともいえる表現様式なのです。
こういった様々な背景により、ポトシの街は1987年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
ウンシアのミラフローレス博物館(ディーゼル・プラント博物館)
スズ鉱山で富を成したボリビア人シモン・パティーニョが所有していた、ラ・サルバドール鉱山の近くにあるミラフローレス博物館。この施設は、その昔、発電所だった工場が博物館として修復・改修された施設です。博物館の中には、あのタイタニック号と同型の発電機が2基設置されています。施設内には居心地の良いカフェテリアが併設され、来訪者はボリビアの鉱業の歴史についてゆっくり学ぶことができます。
セロ・リコ、ディエゴ・ワルパ鉱山博物館
世界最大級の銀鉱床であったセロ・リコ鉱山の坑道内にある、ディエゴ・ワルパ博物館は、セロ・リコ鉱山の歴史を疑似体験できるユニークな博物館です。坑内には、様々なテーマ別の展示室が設けられており、来訪者は実際の坑道内部に入り植民地時代に採掘された銀と錫の採掘の歴史を学ぶことができます。
場所:ポトシ県トマス・フリアス群
標高:約4,070m
気温::年間平均9℃
フォルクローレ文化の最高傑作オルーロのカーニバル
ボリビアの宗教と文化の融合を象徴するオルーロのカーニバルは、ボリビア最大のフォルクローレ文化の祭典です。オルーロのカーニバルの一番の見どころは、カーニバルが開催される土曜日に行われる「エントラーダ」と呼ばれるパレードです。数千人ものダンサーがグループに分かれ、ミュージシャンたちと共に約4kmの道のりを練り歩きながら、聖母ソカボンが祀られる聖地を目指し、壮麗なパレードを繰り広げます。ディアブラーダやモレナーダ、カポラーレス、ティンクといった見事なダンスは、見る人を圧巻させるダイナミックなダンスです。アンデス神話やボリビアの伝統・歴史がベースとなったダンスを、色彩豊かな衣装と共に表現します。オルーロのカーニバルが開催されるまでの一年間、ダンサーたちが着用する衣装のデザインや制作準備には大半の時間が費やされます。オルーロのカーニバルは、衣装制作に携わる地元の刺繍師や仮面職人の熟練した技術を披露する素晴らしい機会でもあるのです。
オルーロのカーニバルは、2009年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。
オルーロ県には他にも、サハマ国立公園をはじめ、ボリビアの重要な自然遺産や文化・考古学的遺産が数多く存在します。
宗教芸術美術館
ここでは、オルーロの芸術家や職人(仮面職人、刺繍師など)が、美術館の展示室や非常に価値の高い宗教画の修復作業を行いました。
場所:オルーロ県セルカド群
標高:約3,706m
気温:年間平均11℃
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