ボリビアの平原地帯の都市
トリニダ
ボリビア北東部のベニ県の県都トリニダは、標高約237mに位置する湿度の高い熱帯気候の都市です。トリニダは、ベニ県モホス群に降り立ったイエズス会により、県内2番目に設立された都市(群)です。ベニ県内には、広範囲に渡って跨る複数の川や、その周辺の湿地帯、そしてパンパと呼ばれる草原地帯に囲まれています。これらの複雑に組み合わさった生態系は、南米で3番目に大きな規模の複合体として知られ、アマゾン川流域に限れば南米最大級の大きさともいわれています。湿潤な草原が広がる景観は、さまざまな森林やモザイク状に広がる植物群、そして年中水分を保持した大きな沼地に取り囲まれているのが特徴です。これは地理的・歴史的にも特異でユニークな生態系を表します。
トリニダから、陸路、空路、水路のいずれかのルートで(または組み合わせて)、ベニ県内すべての都市へアクセスすることが可能です。
“モソスの水利文化”と呼ばれる高度な水利システムの起源は、推定約4,000年前から存在していたともいわれています。この丘陵地帯に適する水利文化を利用し、水源のある自然と、人が暮らす主要地域の中心地とを結ぶ大規模な水利施設の建設を行いました。そして、洪水が発生しやすいこの地域での農作業にも適応するほど技術は素晴らしく、ここでの重要な基盤となっています。
トリニダ市街から近い場所に、イバレ-マモレ市立保護区があります。まず、トリニダ市街から約10分のプエルト・バリビアンからモーターボートに乗り、マモレ川貯水池まで移動します。サギやトカゲ、カメなどのボリビアアマゾンに生息する様々な動物が観察できるボートの旅で、ボリビアカワイルカに遭遇できるチャンスがあるかもしれません。
観光スポット：ラグーナ・スアレス、プエルト・バラドール、チュチニ自然保護区、ロマ・スアレスなど
サンタ・クルス・デ・ラ・シエラ
広大なボリビア東部の平原地帯のサンタ・クルス・デ・ラ・シエラ県(以下、サンタクルス)は、アマゾン川の支流であるピライ川沿いに位置する温暖な気候の都市です。標高は約416mで、国内最大の国際空港、ビルビル国際空港があります。急速な経済の発展により、今日のボリビア経済の戦略的拠点へと変貌を遂げました。“カスコ・ビエホ”と呼ばれた植民地時代の面影と、サンタクルス市民の晴れやかな陽気さは、今もなお続くサンタクルスの象徴と魅力となっています。
サンタクルス県は、ボリビア国内で最も広い面積を有し、自然環境、地理、文化の多様性にとても富んでいます。炭化水素や農業産業、建設業が盛んで、これらの産業の発展のおかげで、サンタクルス市内には国内髄逸のホテル設備を備えたリゾート地が充実しています。
毎年9月には、南米最大規模の産業・貿易の展示会の一つ、「エクスポ・クルス」が開催されます。サンタクルスで最も大きなイベントであり、ボリビアの経済影響を担う重要な催しの一つだと位置づけられています。
ユネスコの世界文化遺産に登録されているチキトスのイエズス会伝道所群は、カトリックと先住民により形造られた遺産を今でも守り続け、生きる文化として伝承し続けています。イエズス会の活動によりサンタクルスの村々は発展を遂げました。先住民族の文化とヨーロッパの文化が融合した、“(ボリビアアマゾンの)メスティーソ・バロック様式”が、この地に誕生しました。この様式は建築のみにとどまらず、絵画や彫刻といった美術、木彫や織物などの工芸、さらには音楽にまで広がり、多彩な表現として息づいています。そして、ボリビアの重要な国際文化イベントの一つ、中世バロック・ルネサンス国際音楽祭ミシオネス・デ・チキトスが隔年この地で開催されています。
イエズス会サン・ハビエル伝道所の基本情報
場所：サンタクルス県ニュフロ・デ・チャベス群
アクセス：サンタクルス市街から約231km
標高：約534m
気温：年間平均24℃
サマイパタ
サマイパタは、サンタクルス市街から南西に約120km、標高約1,650mに位置する亜熱帯気候の楽園のような町です。町の近くには、サマイパタの砦(または、砦にちなんで名付けられた「エル・フエルテ」）として知られる、重要な考古学遺跡があります。砦の頂上は岩で覆われ、象徴的な２本の大きな溝や腰を下ろすためにデザインされたような石の造りがあります。他にも、幾何学模様や池、動物の形をした彫刻(ペトログリフ)が刻まれており、かつてのアマゾン起源の古代先住民が、農業の周期を祈願していた場所とされています。ちなみにこの彫刻は、地上最大級の岩刻画の一つともされています。スペインによる征服が始まる少し前、この地はインカの前線部隊によって占拠され、彼らはアマゾン起源の装飾の上に自分たちの装飾を重ねました。最近の研究では、この地域は13世紀にインカの地方都市の中心地として機能していたことが明らかになっています。
1998年に、サマイパタの砦は歴史上非常に重要で高い価値のあるもの認定され、ユネスコ世界文化遺産に登録されました。
サマイパタの基本情報
場所：サンタクルス県フロリダ群
アクセス：サンタクルス市街から約120km
標高：約1,650m
気温：年間平均22℃
ブエナ・ビスタ
アンボロ国立公園の麓にある美しい町ブエナ・ビスタは、イエズス会の宣教師によって築かれました。ここでは、野生動物の観察やアドベンチャーツーリズム、地元先住民コミュニティとの交流などが楽しめます。町の名前が付いた“ブエナ・ビスタ・コーヒー農園”は、アンボロ国立公園の緩衝地帯という、景観・自然・考古学的価値の高い環境の中で展開されるアグロツーリズム、エスノツーリズム(先住民コミュニティでの交流)、エコツーリズム事業の一環です。農園内には民間運営のエコロッジがあり、またカンデラリア共同体にはコミュニティ運営の宿泊施設も整備されています。さらに、バンブー（竹）やヒピ・ハパ（植物繊維）を使った美しい工芸品も多くあります。これらを中心に、地域のさまざまな事業を組み込んだ観光ルートが形成されています。
サンタクルスの観光スポットは、サンタクルス市民の憩いの場アレナル公園、屋外飲食エリア・観光スポットが混在するピライ・キャビンズ、屋外プール施設アクアランド、自然体験型テーマパーク グエンベ・バイオセンターなどがあります。
他にも、サンタクルス郊外の観光スポットには、イエズス会伝道所群(サン・ハビエル、コンセプシオン、サン・イグナシオ、サン・ミゲル、サン・ラファエル、サン・ホセ、サンタ・アナ）、ボリビア・パンタナールなどがあります。これらはサンタクルスに数ある美しい自然の名所の中でも特に素晴らしく重要な場所です。
ブエナ・ビスタの基本情報
場所：サンタクルス県イチロ群
アクセス：サンタクルス市街から約105km
標高：約380m
気温：年間平均26℃
コビハ
ボリビア最北部に位置するパンド県の県都コビハ。アクレ川の右岸に位置し、1906年に「バイーア(Bahía）」という名前で設立され、その後、「コビハ(Cobija）」に変更され、現在の名称となっています。コビハ北部には、歴史的なゴム栽培の拠点「バラッカ・デル・アクレ」があり、西には、夕日の美しさを眺めるために視界が大きく開けた場所が広がり、まばゆく、そして毎夕異なる美しい夕日を眺めることができます。コビハの起伏に富んだ地形は独特で、他の熱帯雨林の都市とは違い、通りには大きな傾斜があります。この自然の排水構造のおかげで、コビハの街は洪水の被害を受けにくくなっています。手つかずの荒々しい自然の中では、スポーツフィッシングを楽しむことができます。
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リャノス・トロピカレス(平原地帯)：トリニダ、サンタクルス、コビハ
ボリビアの平原地帯の都市