マディディ国立公園

国立公園インフォメーション

マディディ国立公園は、アマゾンの湿潤な森林をはじめ、雪山や氷河、高地に位置する湖、深い谷や渓谷、断崖、急流の川、そして滝などの美しい自然と、様々な気候帯を有します。マディディ国立公園には、ユンガス地方特有の高山帯に広がる湿潤草原や低木林、極湿潤林、アンデス山脈の斜面を覆うセハの雲霧林、そしてサン・フアン・デル・アサリアマスに見られる、世界でも類を見ないほど良好な保存状態の落葉性乾燥林*など、驚くほど多様なエコリージョン(生態地域)が存在しています。
*乾期には多くの樹木が落葉する森林

さらに、ボリビア国内でも良好な状態で残されている数少ない極湿潤の山麓林をはじめ、低湿地性のサバンナや、ダイオウヤシ、オオミテングヤシ、リオネグロヤシといったヤシ類が生い茂る湿地のロイヤルパーム林など、多様な生態系が広がっており、動物相にもその豊かな多様性が見られます。

parque madidi

マディディ国立公園

マディディ国立公園には、インカ起源およびモジョ文化に由来する、考古学的にも重要な遺跡やプレ・コロンブス期の古道が存在します。マディディ国立公園には、複数の先住民コミュニティが暮らしています。植民地支配下時代から国立公園内の山岳エリアに居住を開始したといわれるケチュア族にルーツを持つコミュニティや、低地エリアに暮らすタカナ族のコミュニティ、また、移動生活を送るエッセ・エッハ族のコミュニティが暮らす伝統的な地域や、モセテン族のコミュニティなどが、マディディ国立公園内で確認されています。

マディディ国立公園は、“世界で最も多様な生物が生息する自然保護区の一つ”と呼ばれるほど、生物多様性に富んでいます。この様な理由から、現在、マディディ国立公園は、ボリビア国内に留まらず、世界規模で重要な自然保護区とされています。マディディ国立公園は、これらの観点から地球上で最も卓越した遺伝資源(種)の自然の貯蔵庫の役割を成しているといえるでしょう。国立公園と統合管理自然保護区という二重の保護カテゴリーを持つマディディ国立公園は、公園内の各エリアの特徴に応じた野生生物の保全管理プログラムを展開する上で、非常に多くの期待と可能性を秘めているのです。

マディディ国立公園の標高範囲は非常に広く、標高約200mから6,000mにも及びます。アポロバンバ地域の高山地帯からヒース川流域のアマゾン低地までのさまざまな地形や環境を含み、その中には、多様な山岳エリアやサブアンデスエリア(アンデス山脈東側に広がる山麓地帯)が含まれています。マディディ国立公園の地形は、トゥイチ川の沖積谷(ちゅうせきこく)*やヒース川の平原を除き、基本的には急峻な起伏と深い峡谷のある山岳地帯となっています。
*川の流れによって運ばれてきた土砂(沖積物)が堆積してできた、谷や平野部の地形

マディディ国立公園の観光スポット&アクティビティ

マディディ国立公園の南側に位置するアポロの町からは、トゥイチ川およびベニ川への舟航やトレッキングを組み合わせたアクティビティが楽しめます。多様な生物を誇る地域での素晴らしい冒険の旅が体験できるでしょう。ルレナバケからは、ベニ川とトゥイチ川を下り、ボリビアの熱帯雨林アマゾンでのキャンプやトレッキングが楽しめます。また、タカナ族で構成されるコミュニティ「サン・ホセ・デ・ウチュピアモナス」や「サン・ミゲル・デル・バラ」を訪問し、異文化交流を体験することができます。帰路では、港までのトレッキングルートを通り、ボートでベニ川とトゥイチ川を渡り、再びルレナバケへ戻ります。
マディディ国立公園に存在するどのトレッキングルートも、異なる風景を持ち、常に多様で素晴らしく、また、トレッキング中は、公園内に生息する野生動物の観察が楽しめるでしょう。
アポロバンバ地域に水源を持つベニ川の支流は、ユンガスの山地湿潤林を通り、沖積谷を横切る形で流れています。ここでは、ボートの川下りや周囲の緑あふれる森林でハイキングをしたり、川岸でのキャンプを楽しむことができます。

管理区分:国立公園および総合自然管理地域
面積:1,895,750ha(18,957)
生物地理学的なサブリージョン(小地域)マディディ国立公園は、高山性の草原地帯であるプーナや、ユンガスの山地湿潤林、そしてマデイラ川流域の湿潤林という3つのサブリージョンに属しています。アポロバンバ地域の高地(山脈)から、低地アマゾンのヒース川周辺の平原に至るまで、標高勾配に沿って様々な山岳エリアやサブアンデスエリア(アンデス山脈東側に広がる山麓地帯)が広がります。

標高範囲:標高約200mのルレナバケ付近の低地から、標高約6,000mまで変化します。
気候:気候は、高地山岳エリアでは寒冷(氷点下)、中間山岳エリアでは温帯、北部低地エリアでは温暖と変化します。
場所:ラパス県北西部フランツ・タマヨ群、アベル・イトゥラルデ群、ラレカハ群に広がります。マディディ国立公園に関わる自治体は、アポロ、サン・ブエナベントゥーラ、イクシアマス、ペレチュコ、グアナイです。マディディ国立公園西側はペルーと隣接しています。


自生する植物相:マディディ公園は、標高差が非常に大きいため、以下のような極めて多様なエコリージョン(生態地域)が存在します。マディディ国立公園には、積雪地帯や周氷河環境をはじめ、ユンガス高地に広がるパラモ(高山草原)、セハの雲霧林、ユンガス地方の湿潤〜超湿潤林、サブアンデスエリアの多雨林、サン・フアン・デル・アサリアマスの落葉性乾燥林、そしてボリビア国内で数少ない良好な状態で保たれたモデル的存在の前山帯の極湿潤林など、さまざまな高地生態系が見られます。さらに、低地には季節性湿潤林や低湿地性のサバンナ、ヤシ類が繁茂する湿地林なども分布しており、多彩な環境が共存しています。
マディディ国立公園全体では、約5,000種から6,000種の高等植物(維管束植物)が自生していると推定されています。注目すべき種として、科学的に新種であることが判明したワイチャ(クノニア科)、ユラフ・ワイチャ(ノボタン科)、山地性のマツ(マキ科)、ビボシ(イチジク属)などがあります。また、ヤシ類も非常に多様で、極めて稀少なセロキシロン・ピティロフィルムやハタタ類(ゲオノマ・メガロスパサ、グロキシニ族、ゲオノマ・デヴェルサ)、アサイー(エウテルペ・プレカトリア)、ロイヤルパーム(オオミテングヤシ)などが見られます。

生息する動物相:マディディ国立公園には、733種の動物が記録されており、哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類など、ほぼすべての分類群が存在します。哺乳類の中で注目すべきは、メガネグマ、アンデスネコ、シカ科の希少な高地性アンデスシカのタルカ、ピューマ、ジャガー、ティグレシージョ(オセーロ)、小型のイノシシに似たトロペロ(クチジロペッカリー)、ジャイアントオオカワウソ、クモザル、アカホエザル、マーモセット科などの複数のサルが生息しています。

鳥類にはおそらく、タイランチョウ科のタカネカラタイランチョウやカンムリワシ(アカクロクマタカ)、オウギワシ、固有種のハチドリ類(クサビオヤマハチドリ および ズグロニジハチドリ)、さらにはアカガオジアリドリ*のような、小型で絶滅の危機にある種が複数見られます。
*アカガオジアリドリはこの地域の固有種です。

他にも、カマドドリ科のレプタステヌラ・ヤナセンシス、ホソオカマドドリ、クロビタイアオフウキンチョウ、ミスジモリフウキンチョウなどの地域固有種また準固有種が確認されています。現在までに記録されている鳥類は620種ですが、実際はその数を超える1,100種に上ると推定されています。これは、ボリビア国内に生息する鳥類の約90%を占めるという驚異的な数に相当します。
また、マディディ国立公園の湿潤な森にひっそりと生息していた「ルカチ(Lucachi)」という名のサルは、2004年に科学的に新種であることが確認されました。新種発覚後、この黄金の毛色を持つサルを保護するための資金を募るオークションが開催されました。最終的に、カリキブス・アウレイパラティイ(またはマディディティティ)という、「黄金の宮殿」を意味する学名が付けられました。

地域先住民コミュニティ:マディディ国立公園内の標高約3,000mを超えるアクセスが非常に困難なエリアには、3つの先住民コミュニティが存在しているのが確認されています。高地山岳エリアには、ケチュア族にルーツを持つコミュニティ(180世帯)が暮らし、アポロ北部およびアサリアマス北西部のペルー国境付近の標高約3,000mから600mの中間山岳エリアには、約25個の小規模なコミュニティ(合計370世帯)が暮らしています。低地エリアの人口は非常に少なく、いくつかの小規模のコミュニティや、点在する集落に人々は暮らしています。主にベニ川沿い(エル・カルメン、サン・ミゲル、ケンデケ、バラ)および北部トゥイチ川沿いのサン・ホセ・デ・ウチュピアモナスのコミュニティに合計約120世帯が暮らし、彼らのように低地で暮らす先住民は主にタカナ族、エッセ・エッハ族、モセテン族にルーツを持ちます。

マディディ公園に最も近い都市圏の人口は、マディディ国立公園東側の町アポロに約1,600人、サン・ブエナベントゥーラに約1,670人、ルレナバケに約5,000人、そしてマディディ国立公園北側の町イシアマスに約1,300人となっています。 

マディディ国立公園へのアクセス

マディディ国立公園南側へのアクセスは、アポロの町からになります。東側へは、ルレナバケからです。ラパス市からのアクセスは、ビジャ・ファティマ地区から毎日運行されるマディディ国立公園行きのバスが利用いただけます。トリニダ市からもバスが運行されており、アクセスが可能です。また、ボリビアの航空会社Ecojetなど、ラパスールレナバケ間のフライトを運航しております。

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