国立公園インフォメーション
ポトシ県北部に位置するトロトロ国立公園は、ポトシ市から約736km、コチャバンバ市から約138kmの距離にあります。トロトロ国立公園は、コチャバンバ市側からのみアクセスが可能で、移動時間は車で約4時間になります。トロトロ国立公園の総面積は約16,570haあり、公園内にはトロトロの町を含む10個のコミュニティが存在します。トロトロ国立公園は、1989年にこの地域の美しい景観を守ることを目的とし、また、考古学・古生物学・洞窟学に関わる貴重な遺跡保護と、豊かな動植物の生態系の保護のため設立されました。
ウマハランタの洞窟
ウマハランタの洞窟は、ボリビアで最も広大で深い洞窟です。トロトロの町から約8kmのウアイラ・カサ(またはワイラ・カサ)のコミュニティにあります。「ウマハランタ」はケチュア語で、「地中奥深くに消えていく水」を意味します。洞窟内は、大きなドーム状の空間や回廊、狭い通路などで構成されています。洞窟内部には、鍾乳石や石筍の形成が見られ、それぞれに「しだれ柳の木」「クリスマスツリー」「コンサートホール」「聖母と幼子」といったユニークな愛称が付けられています。
洞窟内のドーム状の空間には、池や湧き水があり、これらの水辺に生息する小さな盲目の魚(盲目魚)を容易に観察することができます。ウマハランタの洞窟観光は、特別な訓練を受けたトロトロ国立公園の管理者兼ガイドにより案内が行われます。
生物地理学的なサブリージョン(小地域):プレ・プーナと呼ばれる、深い渓谷のある典型的な山岳地帯です。
標高範囲:標高約1,900mから3,600m
気候:標高により多少異なりますが、概ね温帯気候。アンデス山脈の乾燥地帯の降水量は、年間600mmを下回ります。
自生する植物相:トロトロ国立公園の植物相は、ケブラチョ(アスピドスペルマ属)やピノ・デ・モンテ(マキ科)といった種が目立ちます。長年に亘る人為的影響により、自然植生の一部がわずかに残り、マキ科の小さな林などが見られます。リャマ・チャキ*の高地に残る落葉樹林の遺構には、バラ亜科に属するケニュアの低木林がわずかに見られます。
*トロトロ国立公園内にある古代遺跡
動物相:この地域の希少な動物相については、タルカ(またはシカ科の希少な高地性アンデスシカ)や、アンデスネコが生息し、他にも、アカコンゴウインコ、オウム、ボリビアクロムクドリモドキ、チャイロイワカマドドリ、ボリビアカマドドリなどのボリビア固有種の鳥類の生息が目立ちます。
地域先住民コミュニティ:トロトロ国立公園には、古代からの定住の歴史を持つ地域先住民コミュニティがいくつも存在します。主なコミュニティは次の通りです。
ワイラ・カサ、ウィラ・カサ、ワイリャス、ビルヨ、ラグーナ、クルス・カサ、インカ・コラル、エストレジャニ、モレカンチャ、アシエンダ・ロマ
観光スポット:ボリビア国内でも有数の自然美を誇るサハマ国立公園やエドゥアルド・アバロア自然保護区と並び、トロトロ国立公園は、圧倒的な景観を誇る国立公園です。広大なウマハランタ洞窟やチフロンカカ洞窟など、地質学的および地形学的重要な価値を持つ地形がいくつも存在します。恐竜の足跡や化石の発見といった考古学的な価値を持つエリアや、インカに関する重要な遺跡や、洞窟壁画などが点在します。その中でも特に、トロトロ渓谷とエル・ベルヘルは見どころです。
トロトロ国立公園は、地質学・古生物学・洞窟探検を愛する人々にとって、まさに理想的な地といえます。中生代の大型爬虫類の足跡や、カルスト地形に由来する深い洞窟などが見られます。洞窟には、古生代、中生代、そしておそらく新生代の重要な古生物学的岩石が豊富に存在しています。トロトロ国立公園について特に世界で広く知られているのは、白亜紀の恐竜の足跡や古生代の無脊椎動物の化石です。これらの化石は、かつて海や大陸に生息していた動物の遺骸や痕跡で、トロトロ国立公園の全域にわたって分布が確認されています。
トロトロ国立公園内で発見された、約1億3千万年前の化石化した恐竜の足跡は、肉食恐竜であるテロポダ類やカルノサウルス類、そして草食恐竜である竜脚類やブロントサウルス類に属するものと考えられています。また、約3億5千万年前に発見された海洋化石は、この地域の古生物学的資源の豊かさを想像することができます。一方、この地域で発見された岩絵の先コロンブス期の時代区分については、まだ特定されていません。
トロトロ国立公園内には、ウマハランタの洞窟やチフロンカカの洞窟などの重要な洞窟資源が存在します。地下のネットワーク全体を把握するためには、さらなる詳細な調査が必要とされています。ウマハランタの洞窟内には、トリコミュクテルス科の退化した目を持つ小型の盲目魚が生息しており、この盲目魚は洞窟生物学の分野において大きな科学的関心を集める存在となっています。
トロトロ国立公園へのアクセス:トロトロ国立公園は、コチャバンバ市街から約140kmの距離で、タラタの町、またはクリサの町を経由し、アンサルドの町を通り、トロトロの町へ向かうルートが一般的です。車で約4時間、公共交通機関を使っての移動は約5時間半かかります。
※トロトロ国立公園へのアクセスは、コチャバンバからのみとなっています。
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